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東京インターナショナルシンガーズは1980年にキャロル・メルビーとマルセル・レスペランスによって創始された。代表的な合唱曲を演奏し、夏のコンサートは小品やオペラ曲を抜粋して演奏するなど、この18年間幅広い演奏活動をしている。外国人と日本人の、音楽を通じた交流の場でもあり、日本人のメンバーにとっては、外国人の指揮者のもとで訓練を受ける良い機会でもある。メンバーは、アイルランド、アメリカ、イギリス、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、ジンバブエ、スコットランド、スロヴェニア、ドイツ、フィリピン、フランス、ベルギー、日本といった、様々な国に渡る。
主なコンサートでは、レスペランス・シンガーズ(1986年に創始された合唱アンサンブル)が一緒に演奏する。このアンサンブルはNHKテレビ出演の経験もある。
マルセル・レスペランス (指揮)
アメリカ合衆国マサチュ−セッツ州に生まれる。両親はフランス系カナダ人。ボストンカレッジ、ボストン大学、クレアモントスク−ル、イリノイ大学で学ぶ。
指揮法を、アトランタ交響楽団・合唱団のロバート・ショー氏、
南カリフォルニア大学のチャールズ・ハート氏、ドイツ・シュトゥットガルトのヘルムット・リリング氏等、国際的に有名な指揮者に師事。声楽をガ−シュインのオペラ『ポ−ギ−とベス』のポ−ギ−役として有名なアメリカのバス歌手ウィリアム・ワ−フィ−ルド氏に師事し、東京では合唱曲によるコンサ−トを多数催している。
ロッシーニ《小荘厳(そうごん)ミサ曲》
ロッシーニは、いつもの彼独特の言葉使いでこの作品のことを「年老いた者が人間として犯した最後の罪」と呼んだ。また彼は次のようにつけ加えている。「神よ、ここに小さな拙(つたな)いミサ曲ができ上がりました。私がやっと本当の宗教曲を作ったことになるのでしょうか、それとも悪評を受ける曲にすぎませんか。あなたも知っておられる通り私はオペラ・ブッファを作るために生まれてきたような人間なのですから、崇高な曲を作る技術はほとんど持ち合わせておりませんが、せめて少しでも心を込めてこれを書きました。それでは、神の名がほめ称(たた)えられますように、そして私には天国行きが許されますように」
しかし、この優れたミサ曲の次元は決して小さいものではなく、全体にわたって敬虔(けいけん)で高貴なその音楽のどこにも軽率さがない。事実、これこそロッシーニの作った中で最も霊感に満ちた合唱曲であり、彼が年老いてもなお創作力、想像力、作曲技術の衰えを少しも見せなかったことを雄弁に物語っている。1868年3月14日の初演を聴いた同時代の作曲家マイヤーベアは歓喜に我を失ってしまった。マイヤーベアは“Cum
sancto spiritu”のフーガを、「今までに作られたこの種の曲の中で最高のもの」と呼び、さらに「ロッシーニは2ヶ月の間に一個の宇宙全体を作り上げてしまった。彼は我々の時代のジュピター神として、我々皆をその掌てのひらの中に抱き込むのだ」と賞賛した。
ジュゼッペ・ヴェルディ (1813-1901)
才能の優れたイタリアのオペラ作曲家ヴェルディが《レクイエム》を書き始めるきっかけになったのは、1868年のロッシーニの死の時であった。ヴェルディの「我を赦(ゆる)し給(たま)え」は、七人のイタリアの名作曲家が書くレクイエム・ミサの一部として作曲された。この計画は完了に至らなかったが、五年後の1873年、ヴェルディはその親友であった政治家で作家のマンゾーニに、レクイエム・ミサを捧(ささ)げるよう決心した。このレクイエムに、彼は以前のロッシーニ計画のために作曲した「我を赦し給え」を含めた。初公演はヴェルディ指揮で、ミラノの聖マルコ教会で行われた。ヴェルディの《レクイエム》は「死者のためのミサ」の中でも劇的な曲であり、オペラ愛好家や演奏会に行く人にとって、最も好まれている演奏曲の一つとなっている。
百合 道子(ソプラノ)
名古屋市出身。愛知県立明和高等学校音楽課程卒業。東京芸術大学声楽科卒業。同大学院修了。瀬山詠子、東敦子、疋田生次郎の各氏に師事。芸大オペラ「ドン・ジョヴァンニ」のツェルリーナでオペラデビュー。「フィガロの結婚」のバルバリーナ、「カルメン」のメルセデス役等に出演。ベートーヴェン「交響曲第九番」バッハ「カンタータ」ハイドン「四季」等のソプラノ独唱をつとめオーケストラと共演。古典的な日本音楽と西洋音楽との関わりに強く興味を抱き、日本歌曲の研究に取り組んでいる。1990年(名古屋)、92年(名古屋)、93年(東京)、95年(東京)でリサイタルを開催。新聞紙上等で好評を博す。96年1月、ローマ、ミラノに於ける日本音楽の夕べに出演。ソリストとしての活躍の他、声楽集団ムーサおよび東京合唱協会のメンバーとして声楽アンサンブルにも取り組んでいる。また女声合唱団「峰の会」、混声合唱団「ウィングズ」の指揮者、並びに「北区民混声合唱団」のヴォイストレーナーとして合唱の指導にも当たっている。
田中 奈美子(アルト)
東京芸術大学声楽科及びドイツ国立シュトゥットガルト音楽大学演奏家養成課程およびリート科を各々卒業。在独中、シュトゥットガルトを中心に、キール、パッサウ、エルマウ城、リンダッハ城など各地でオラトリオのソリストおよび、コンサートに数多く出演。その他、モーツァルト音楽祭、オラトリオのラジオ録音などの後帰国。帰国後は、オペラ「ヘンゼルとグレーテル」「魔笛」「アルバート・ヘリング」他、オラトリオは、バッハ、モーツァルト、ヘンデルなど、主要作品のソリストとして、その他、ドイツ歌曲、日本歌曲など各分野にて活動している。92年には文化交流の一環としてカーネギーホール(ニューヨーク)にてソリストとして出演、好評を博した。現在二期会会員。日本H.ヴォルフ協会同人。横浜シティオペラ会員および運営委員。フェリス女学院大学講師。声楽を、戸田敏子、Lore
Fischer 各教授、リート解釈をKonrad Richter舞台語発音法をUta
Kutter各教授に師事。
末廣 照一郎(テノール)
福岡県生まれ。東京芸術大学声楽科卒業。岩津範和、白石邦憲、高橋修一の各氏に師事。1985年10月文化庁芸術祭参加のブラームス合唱作品演奏会にて日本初演ミサ曲のテノール・ソリストとして参加。1992年7月神奈川県民ホール小ホールでリサイタルを開催し、好評を博した。
モーツァルト「レクイエム」ソリストをはじめ、コンサートにも数多く出演し、意欲的に取り組んでいる。千葉インターナショナルシンガーズではヴォイス・トレーナーを務め、10周年記念演奏会にソリストとして出演。現在、千葉経済大学附属高等学校教諭。
北村 哲朗(バリトン)
東京芸術大学声楽科卒業。同大学修士課程修了。声楽を藤沼昭彦、伊藤亘行、中山悌一各氏に師事。89年ドレスデン国立音楽大学へ留学。エルスベート・ブレーン教授に師事。ゲルトロウド・カイスラー教授のリード・クラスに参加。アマデウス・ヴェーバージンケ教授のもとで室内楽としてのリート音楽的表現・解釈において深い指導を受ける。89年、90年ザルツブルグ国際夏期講習にてハルトムート・ヘル、白井光子のリート・デュオ・クラスに参加し、歌手奨励賞を受賞。91年卒業と同時にゲルリッツオペラ劇場に「カルメン」エスカミーリオでデビュー。またリート・デュオもドイツ新聞紙上で高い評価を受けている。ゲルリッツオペラ歌劇場専属リリック・バリトン歌手をつとめ帰国。帰国後はサントリーホール、東京芸術劇場といった著名なホールでのコンサートに数多く出演。オラトリオ、リート、オペラと広範囲に活躍している。96年12月、東京オペラシティー武沸メモリアルホールのオープニングシリーズで秋山和慶指揮、東京交響楽団と協演。高い評価を受ける。ヴェルディ芸術文化振興会会員。東京室内歌劇場会員。サン・サーンス《クリスマス・オラトリオ》(86年)、シューベルト《ト長調ミサ》(86年)、ロッシーニ《小荘厳ミサ》(96年)、ドヴォルザーク《ニ長調ミサ》、コダーイ《ミサ・ブレヴィス》で東京インターナショナルシンガーズと協演。
渡辺 あけみ(ピアノ)
桐朋音楽大学ピアノ科卒業。ウィーン・アカデミーにてヨーセフ・ディヒラー氏に師事。NHK
FM新人演奏会に出演。またTBS「いい朝8時」など、数多くのテレビに出演。故立川清登氏をはじめとして、一流声楽家と共演。ロッシーニの《小荘厳ミサ》、プーランクの《テネブレーの七つの応答》で東京インターナショナルシンガーズ、ブラームスの《リーベスリーダーワルツ》でレスペランス・シンガーズと共演。クラシックからポピュラーまでこなせる数少ない伴奏者として活躍中。
長門石 幸子(オルガン)
東京生まれ。ボストン、ニュー・イングランド音楽院にて、ウィリアム・ポーター、ベルナール・ラガセに師事、音楽修士号を取得。1983年より国際基督大学のオルガニストを務めるかたわら、ソロ、アンサンブル、伴奏等で活躍。1987年より、〈ニューグローヴ世界音楽大事典〉の編集部に席を置き、鍵盤音楽、楽器等の項目を担当。日本をはじめ、ドイツ、フランス等で毎年リサイタルを開く。
山崎 小桃(ソプラノ)
東京芸術大学に学ぶ。二期会オペラスタジオ第28期生終了。第23回日伊声楽コンコルソ第2位入賞。第56回日本音楽コンクール入選。1989年、伊・テルニ国際オペラコンクール優勝。1990年、伊・マリア・カニーリャ国際声楽コンクール、伊・G.
プッチーニ国際声楽コンクール、伊・ラティーナ国際声楽コンクールに入選。1989年より、ローマにて、アンジェロ・アレンツィ師より、ベルカントを学ぶ。1989年イタリア・G.
ヴェルディ歌劇場、1992年チェコ・ティラ歌劇場で「トスカ」のタイトルロールを演じた。1993年、日本での「ドン・ジョバンニ」のドンナ・エルヴィラ、1994年、「蝶々夫人」のタイトルロールに続きフランス・グルノーブル歌劇場、オールヴァン歌劇場、シュリー歌劇場、フォイエール歌劇場、ロンジェミュー歌劇場で「蝶々夫人」のタイトルロールを演じ、大好評を博した。1995年にはドヴォルザーク「スタバト・マーテル」、「蝶々夫人」を日本でも歌っている。二期会会員。
岩森
美里(メゾ・ソプラノ)
東京生まれ。国立音楽大学及び同大学院に学ぶ。二期会オペラスタジオ第27期生修了。文化庁オペラ研修所第5期生修了。文化庁派遣芸術家在外研修員としてウィーンへ留学。
二期会オペラスタジオ修了公開「カルメン」では、タイトルロールを演じ特別賞を受賞。その他「フィガロの結婚」のケルピーノ、マルチェリーナ、「ワルキューレ」のロスヴァイセ、「ウィンザーの陽気な女房たち」のライヒ夫人、「蝶々夫人」のスズキ、「神々の黄昏」の第2のノルン、「ラインの黄金」のフリッカ、「カヴァレリア・ルスティカーナ」のサントゥッツァ、「リゴレット」のマッダレーナ、「修道女アンジェリカ」の公爵夫人、「ジャンニ・スキッキ」のツィータ等を演じる。二期会40周年記念原語初公演「カルメン」でもタイトルロールを演じた。
1994年9月、音楽の友ホールで初リサイタルを行った。ベートーヴェン「第九」をはじめヴェルディ「レクイエム」、モーツァルト「レクイエム」、ヘンデル「メサイヤ」等、宗教曲のコンサートにもソリストとして出演している。
大野 光彦(テノール)
国立音楽大学声楽科卒業。故西内静、平野忠彦、長井則文の各氏に師事。卒業後、二期会合唱団に入団。現在は、ソリストとしてオペラ、コンサート等で活躍している。
東京文化会館推薦音楽会オーディション合格。大東アカデミー「メッセ・ソレネッレ」ソロ・オーディション合格。ニッカ「椿姫」アルフレード・コンクール第二位。1989年5月にオペラ「椿姫」のアルフレードでデビュー、9月に「カルメン」のホセを演ずる。1994年8月には、イタリアのオデルツォにて勉強し、スロベニアのルブリアーナ国立歌劇場にて「椿姫」のアルフレードを歌う。現在、二期会会員。
東京インターナショナルシンガーズとは、ドヴォルザーク「スタバト・マーテル」、ヘンデル「メサイア」、モーツァルト「レクイエム」等で共演している。
小川 裕二(バリトン)
東京芸術大学声楽科および同大学院オペラ科終了。
第22回日伊声楽コンコルソ第2位受賞。第55回日本音楽コンクール入選。
NHK洋楽オーディション合格。
オペラ・デビューは、芸大オペラ「ラ・ボエーム」でのマルチェロ役で、以降多数のオペラに出演し、舞台経験を積んだ。最近では、「カルメン」のエスカミーリォ、「道化師」のトニオ、シルヴィオ「蝶々夫人」のシャープレス、「椿姫」のジェルモン、「ラ・ボエーム」のマルチェロ等、バリトンの主要な役を歌っている。
特に、1989年9月の二期会公演「椿姫」のジェルモン役や、1994年3月の東京オペラプロテュース公演「ラ・ボエーム」でのマルチェロ役の演唱は、高い評価を得た。また1995年9月に東京オペラプロテュース公演「トスカ」のスカルピア男爵を演じ、絶賛された。
1982年には、東京室内歌劇場の一員として『イスラエル・フェスティバル』に参加し、「カーリュウ・リバー」と「昔噺人買太郎兵衛」に出演した。また、1990年7月には、二期会のフィンランド「サヴォンリンナ・オペラ・フェスティバル」参加公演「お蝶夫人」にも出演した。ベートーヴェンの「第九」をはじめ、多くの宗教曲や、オーケストラのコンサートにも数多く出演している。また、リサイタルやジョイント・リサイタルにも意欲的に取り組んでいる。
現在、國學院大學栃木短期大學助教授。二期会会員。
ルース・カー(ソプラノ)
1975年、ロンドン生まれ。4歳の時からピアノを習う。1993年10月、ケンブリッジ大学に入学し、声楽、ピアノ及びフルートの奨学金を受ける。在学中、バッハのカンタータ《我は満ち足れり》《起きよと叫べる》、メンデルスゾーン《わが祈りを聞きたまえ》、ハイドン《テレサ・ミサ》でソリストとして活躍。またリサイタルではドビュッシー《忘れられたアリエット》、メシアン《ミのための詩》を出演。《サウンド・オブ・ミュージック》《オズの魔法使い》のミュージカルに出演。オーケストラや合唱団のツアーでフランス、スイス、イタリア、アイルランド、チェコ共和国を訪問。
現在、文部省JETプログラムに参加中。東京では声楽を橋本美喜子氏のもとで続けている。
シェリー・ウェイト(メゾソプラノ)
豊かな感受性と完成されたスタイル、そして暖かみのある声で知られており、欧米においてオペラ、オラトリオ、そしてジャズの舞台にも出演。ワシントンD.C.のケネディセンターの舞台で主役をつとめ、また、アメリカの数多くのオーケストラや合唱団と共に、ニューヨークのカーネギーホールに出演し好評を得ている。
アメリカ国内各地でリサイタルを行う一方、最近ではデイヴ・ブリュベックのジャズオラトリオ“To
Hope! A Celebration”(テラーク)やポールヒルコーラル1995年(Centaur)
の二つのレコーディングに参加。主な出演作品としては、バッハ《ミサ曲ロ短調》、ベートーヴェン《ミサソレムニス》、ヴェルディ《レクイエム》、コープランドIn
the Beginning,
ハイドン《ネルソン・ミサ》、モーツァルト《レクイエム》などが挙げられる。
東京インターナショナルシンガーズとは平成10年7月12日の夏のコンサート(サントリーホール小ホール)にて協演予定。